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吉野家に見る新興市場のリスク 2004年10月3日付けBlog |
吉野家(9861)が赤字を発表しましたね。 吉野家を知らない方って日本人ではまずいないと思うし、今回赤字になることも十分予想できたので、ここでは触れません。 しかし、吉野家の売上が約30%も落ち込んでいるのに対して、同業他社である松屋フーズ(9887)は、10%程度の落ち込みで止まっています。 両社の決定的な違いは何でしょうか? 両方のお店に行ったことがある方は良くわかると思いますが、松屋は牛丼はメニューの一つで多数の定食メニューを取り揃えているのに対して、吉野家はほぼ牛丼のみの単品メニュー構成です。 ここが両社の決定的な違いですね。 (味については皆さんの好みに任せます。コメントください。) 吉野家は、単品経営なので、BSEで牛肉が供給されなくなったり、牛丼が低価格戦争に巻き込まれると、あっという間に業績が悪化してしまうんですね。 単品経営は、徹底的な絞込みで利益率を高めることができる変わりに、変化が生じると対応できないというリスクが高まります。 今回の吉野家の不振の原因は、牛丼以外のメニューを用意していなかったというリスク回避能力の欠如によるものでしょう。だって、新メニューはどれもぱっとしないですよね。いかにも暫定で用意してますっていう感じで。 逆に松屋は、BSE騒動が起きても、何事もなかったように豚肉系のメニューを多く組み込むことで業績の悪化を回避しています。その代わり、通常字には利益率は吉野家よりも低くなります。 吉野家型:単品経営で利益率、ブランド力を高める会社 松屋型:豊富なメニューで利益率(効率)は落ちるが、リスクを回避している会社 新興市場の会社は、吉野家型のケースが多いと思います。 典型例は、セラーテム(4330)やアクセス(4813)でしょう。 主力商品は、競争力があり収益力を保っていますが、何らかの技術革新があったり、低価格戦争に巻き込まれると一気に業績悪化する要素を持っています。 特にIT系の会社は、技術革新が早いため、一気に業績悪化するケースもあり、注意が必要です。 逆に新興市場の会社の中にも、現在の利益を若干減らしてでも次の収益の柱となる研究開発を進めているしっかりとした会社もあります。 新興企業の場合、ある程度までは本業集中でブランド力を高める必要があると思いますが、企業の発展を狙う中長期投資家は次のビジネスへの布石を確実に打っている松屋型の会社を選ぶべきだと思います。 「株/新選組」さんの今日のブログは同感でした(Blogランキング) しかし、吉野家は売上1000億円まで単品経営でリスク回避を全くしていないっていうのは経営陣はいったい何を考えているんでしょうかねえ |