今日はリクエストの多かった
アセット・マネジャーズ(2337)について分析を書きます。
まず、アセット・マネジャーズWEBページの社長挨拶からの抜粋です。
『当社は、「ファンド運用と資産流動化の専門集団として、独自のノウハウとネットワークを駆使することによリ、不動産を中心とした投資マーケットの健全なる成長に貢献する」という経営理念に基づき、不動産と金融が融合する不動産流動化ビジネスにおいて、ソリューション事業及びファンド事業を行っております。当社では、今後も不動産流動化ビジネスに積極的に関与し、日本の不動産流動化ビジネスのリーディングカンパニーを目指すよう邁進するとともに、金融技術を駆使しながら、事業法人及び投資家のニーズに応じた商材斡旋、業務斡旋、資産斡旋、企業斡旋を行う「マーチャント・バンク」を指向する所存であります。』
これで十分じゃないですか。あ?わかんない。そりゃそうだ。
日本(世界でも良い)のサラリーマンで、最も給与が高い職種は何だと思いますか?
投資銀行業務が正解です(インテリジェンス調べ)。要するに何がいいたいかというと投資銀行業務は儲かるんです。欧米の銀行が投資銀行業務に注力し収益力を向上させているのを見て、日本の銀行が、“投資銀行業務を強化する”と念仏のように唱えている点からも明らかでしょう。
僕はNew不動産関連の会社(REITや不良債権処理がらみの不動産会社をまとめて定義しています)は、日本の不良債権処理が終われば早晩利益が上がらなくなると予想しています。銀行や不動産会社が、自社(または関連会社)で参入してくれば、早晩新興企業群の活躍の余地は小さくなるでしょう。
このため、現在の好業績も、あと2〜3年だろうと思っています。実際ここの業務には近年外資系を含めた銀行や大手の不動産会社が既に参入しつつあり、新興企業群の業績は伸び悩んでいるのが実情です。
この会社群の典型は、クリード(8888)、レーサムリサーチ(8890)、リサパートナーズ(8924)、といった会社です。(もちろんこれらの会社群の中から生き残って収益を伸ばしてくる会社もあると思いますが、現時点で見通すのは難しいので割愛。)
当初、僕は
アセット・マネジャーズ(2337)もNew不動産関連の会社であると思ってノーマークの会社でした。
でも、冒頭の社長の言葉に見られるように、この会社が志向しているのは投資銀行業務です。
しかし一方では、投資銀行業務が、利益を出すためには高いソリューションノウハウが必要とされます。
最近、企業再生関連の銘柄が大きく株価を上げています。典型例は、プリヴェチューリッヒ企業再生グループ(6720)ですが、プリヴェに関してはまだ未知数だと思っています。確かに、経営陣は優秀ですし、企業再生グループという試みは非常に面白いと思います。しかし、具体的にどのように企業を再生させて、どのように収益を伸ばしていくのかという点については、全く未知数です。
ヤクルトを優勝させた野村監督(もしくは中日を優勝させた星野監督)が、阪神の監督になったから、阪神タイガースが優勝すると言っている感じでしょうか。もちろん、プリヴェの経営陣が野村監督なのか星野監督なのかは、現時点では誰もわかりません。僕は、実際に実績が出てきてから、評価したほうが良いのではないかと思います。もちろん、プリヴェが実績を出すという何らかの自信がある方は投資しても良いと思います。
一方、アセット・マネージャーズの再生路線は比較的はっきりしています。これまで手に入れた会社は、全て共通していて、土地は持っているが収益が上がらない会社です。すなわちこの会社が目指す再生方法は、既にノウハウのある「不動産関連」に特化した企業再生ソリューションなわけです。周知の通りこの方法は既に実績のある分野です。ソリューションがはっきりしているためM&Aした企業群を再生できる確率は、他の企業再生会社(プリヴェなど)よりも、高いと判断しています。
しかも、土地を持っている会社であれば業種は問わない訳で、非常に幅広い顧客層に対して、アプローチが可能になるのです。実際にこれまでM&Aしてきた会社を見ると、健康ランドの自然堂(2340)、倉庫会社である日本橋倉庫(9316=現:NDB)、ホテル(JALホテルズ)etcと業種も様々です。対象業種が幅広いだけに、今後、M&A戦略が加速していく可能性は高いでしょう。
で、プリベの時価総額2000億円に比べて、アセットの時価総額は480億円です。期待で買われている会社よりも、より高い確率で収益を上げられそうな会社と、どっちが投資で成功するかという点を判断して、投資しています。
ちなみに、H17年2月期の予想利益が950百万円ですので、PER50倍です。とすると来期の収益拡大分くらいまでしか織り込んでいません。来期以降M&Aを進めていくことで更なる収益の上積みが望め、収益が拡大していくと考えると・・・。
現在、アセットは8月末の株式分割の権利取り日まであと2営業日です。僕は、アセットは、権利を取るだけの価値があると思っており既に大きく張っているポジションを、このまま権利取りに行きます。
今回はかなり独断の分析だと思いますので、批判&ご意見どしどしコメント入れてくださいね。