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株式投資関連
MSCBとは何か? 2004年12月11日掲載(2005年2月に再掲載)

ライブドアが発行した800億円のCBですが、これはMSCBです。
これについての質問が多いようなので、2004年12月11日のブログを再掲したいと思います。

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下方修正付きMSCBがどう不利かわからないというコメントをいただきましたので、考えて見ます。

MSCBとは、Moving Strike Convertible Bond(転換社債)の略です。
ようするに「ストライクが動く転換社債」ですね。
ストライク(プライス)とは、株式に転換できる転換価格のことを言います。
(転換社債自体がわからないよという人は、この際自分で勉強してみると良いでしょう。)

通常の転換社債の転換価格は例えば1000円っていう感じで決まっているため、株価が1000円を下回っている段階で転換する人は通常いません。ので、株に転換して売却する人も当然いません。

しかし、MSCBのように転換社債の転換価格が動くとどういう影響があるか。
一番ひどいケースのもので説明すると、転換価格は毎日の株価の終値で決めます。
CBの買い手は、株価が下がったほうが転換できる株数が増えますので、株を借りて空売りして売り崩します。
売り崩したところで、CBを株に転換し、借り株を返済します。
まあ、ほとんどノーリスクで儲かりますね。

このスキームで損をするのは、既存の株主です。
要するにMSCBは、既に株主になっている一般株主を犠牲にして企業が資金調達をしようとするスキームなのです。
よく覚えてください。こういうスキームのCBを発行する会社を投資家は許してはいけません。
こういう会社の株は絶対に買ってはいけません!

ただ、勘違いしてはいけないのは、下方修正事項つきCBと今説明したMSCBは別物です。
下方修正事項つきCBは、転換価格が下方修正する時期が決まっていて(例えば1年後1回とか)、これはCBを有利な条件で売るためのスキームということです。
一年後に株価が下がっている時は、転換価格を下げられるので、証券会社が販売しやすくなるのです。
これを出す会社は財務チームの知識が薄く証券会社にうまく商売されてしまっている会社と思ってよいでしょう。
下方修正つきCBのスキームは、売り崩すといった動きにはなりにくいので、株価への影響は大きくないケースが多いのですが、証券会社にうまく利用されている会社です。

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