98年3月 橋本内閣での消費税率引き上げをきっかけに景気は低迷していました。株式市場も低迷を続けていて、政府による株価維持目的のPKO(Price Keeping Operationの略です)の噂がささやかれていました。
まだ、ITバブルよりも前の事です。
僕は、株式投資をスタートして2〜3年程度が経ち、下げ局面でも利益を出すために信用取引に手をだして少し経ったころでした。信用取引スタート後は、下げ局面だったこともあり、ほとんどの空売りで成功し多額の利益が出ていました。
当時一部では、政府は日経平均株価を底上げするために、当時の日経平均採用銘柄のうち、品薄銘柄であるYUASA(現:GSYUASAホールディングス 6674)やメルシャン(2536)を買い支えしているという噂がありました。
とすると、私はその株価下支えも3月末までだろうから、4月以降はこれらの銘柄は下がるだろうと予想したわけです。
で、私は日経平均株価採用品薄銘柄のうち業績が非常に悪かったYUASA(当時のコード6933)を空売りしました。
この予想が当初はドンピシャと当たり、とりあえず株価は大きく下がり始めました。
しかし、数日後YUASAは次世代燃料電池開発の噂というのが出て、株価が上がったのです。燃料電池の噂は一時的だろうと考え、私はさらに空売りを上乗せしました。
結局、案の定、株価は2回の空売りの損益トントンラインまで落ちてきましたので、買戻しをしようとしたところ、担当証券マンが
「もう少し待てば利益が出ますよ。」
という悪魔の言葉を囁きました。
私も、自分の意思を貫けばよかったのですが、結局証券マンの言うままに買戻しをしないまま数日が過ぎました。
すると再び株価がするすると上昇を始めたのです。
確か、1回目の空売りが160円、2回目の空売りが209円でした。さすがに当時は恐怖心が先に立ち、追証が出る前に282円で損切りしました。この時点で120万円くらいの損失でした。
当時としては、かなり高い授業料でしたが、YUASAは、その後も大きく上昇を続け、300円を超えてから連日10%近い上げになりました。私の損切りの判断は正しかったのです。
しかし、その後、私はさらに大きな失敗を。。。